🦴 背中の脂肪が「外側に張り出しやすい」骨格と体の癖
背中の脂肪は、単に体脂肪率が高いことだけでなく、骨格や日常の体の使い方（癖）によって特定の部位に張り出しやすくなる性質があります。
特に、ブラジャーの背中部分や脇腹の上部にかけて、脂肪が横方向や外側に目立ってしまう場合、骨盤や肩甲骨の位置関係に原因があることが多いです。
ここでは、背中の脂肪が外側に張り出しやすくなる主な骨格の特徴と体の癖、そしてそのメカニズムを解説します。
1. 背中の脂肪が外側に張り出す「骨格の特徴」
背中の脂肪が外側や脇に流れやすいのは、主に体を支える土台と肩周りの構造的な問題によります。
特徴① 骨盤が後傾し、反り腰が強い（または猫背が強い）
背骨のバランスが崩れると、体は脂肪を支えにくい場所に蓄えがちになります。
影響: 骨盤が後ろに傾き（後傾）、それを補おうとして腰椎（背中の下部）が過度に反る（反り腰）か、または胸椎（背中の上部）が丸まる（猫背）といった姿勢になります。
張り出しの仕組み: 背骨のS字カーブが崩れることで、脇腹から背中にかけての筋肉（広背筋など）の支えが弱くなります。これにより、脂肪が本来あるべき場所にとどまれず、重力に従って横や外側に流れ、ブラジャーのラインに乗って張り出しやすくなります。
特徴② 巻き肩（内旋位）による肩甲骨の開きの慢性化
現代のデスクワークが原因で非常に多い骨格の癖です。
影響: 肩が体の内側に向かって前方に巻き込み、肩甲骨が背中の外側に開きっぱなしの状態（外転位）になります。
張り出しの仕組み: 肩甲骨が開くと、背中の広背筋や脇腹の筋肉が弛緩した状態が慢性化します。この筋肉のたるみと血行不良が、その部分の脂肪の代謝を悪くし、皮膚組織が緩むため、脂肪が横方向に広がり、背中や脇のラインが崩れて張り出して見えます。
特徴③ 肋骨が大きく開いている（リブフレア）
肋骨の開きは、ウエストラインだけでなく、背中にも影響を及ぼします。
影響: 腹筋群やインナーマッスルが弱く、肋骨の下端が外側に開いている状態（リブフレア）。
張り出しの仕組み: 肋骨が開いていると、体幹の安定性が失われ、脇腹と背中の境界線が曖昧になります。これにより、脂肪が体側から背中にかけて広く分散し、脇の下のブラジャーの食い込みから上に脂肪が乗りやすくなります。
2. 脂肪の張り出しを解消するための対策
背中の外側に張り出す脂肪を解消するには、脂肪燃焼に加えて骨格を正しい位置に戻すことが重要です。
対策① 「胸を開く」ストレッチと筋力トレーニング
巻き肩を矯正し、肩甲骨を正しい位置に戻します。
胸のストレッチ: 壁の角などを使い、**縮んだ胸の筋肉（大胸筋）**を伸ばします（前項Q17を参照）。
背中の筋トレ: 肩甲骨を意識的に寄せる運動（ローイングなど）を行い、背中の筋肉を活性化させ、緩んだ皮膚と脂肪を支える力をつけます。
対策② 「呼吸」によるインナーマッスルの強化
開いた肋骨を締め、体幹を安定させます。
腹式呼吸: 仰向けになり、鼻から息を吸ったときにお腹が膨らみ、口から息を吐き切ったときにお腹がへこむように意識的に呼吸します。このとき、肋骨が閉じているのを感じましょう。インナーマッスルが鍛えられ、姿勢の安定に繋がります。
対策③ サイズの合ったブラジャーの着用
フィッティング: サイズが合っていないブラジャーは、背中の脂肪を不必要に押さえつけ、段差を作り、血流を悪化させる原因になります。正しいサイズと背中を広くカバーするデザインのブラジャーを選び、脂肪を均等に分散させましょう。
これらの対策により、骨格と筋肉のバランスが整うと、脂肪の代謝が改善し、重力に負けて外側に流れ出るのを防ぐことができます。