👙 サイドボーンの位置ずれが脂肪を移動させる要因と対策


ブラジャーの構造において、カップの横(脇側)に入っている硬い芯材をサイドボーン(Side Bone)と呼びます。このサイドボーンは、ブラジャーの土台となるサイドパネル(脇部分の布地)を支え、着用時にバストの横流れを防ぎ、カップの形をキープするという重要な役割を担っています。

しかし、このサイドボーンが正しい位置からずれてしまうと、本来集めるべきバストや脇肉(脂肪)を圧迫したり逃がしたりしてしまい、結果的に脂肪が不適切な位置に定着(移動)する要因となり得ます。

ここでは、サイドボーンの位置ずれが脂肪移動を引き起こす具体的な要因と、その対策について詳しく解説します。


1. ⚙️ サイドボーンが「位置ずれ」する主な要因

サイドボーンが本来の役割を果たせず、脂肪移動を引き起こしてしまうのは、主に以下の要因が原因です。

1.1. サイズ・形状の不一致による要因

  • アンダーサイズの不一致:アンダーバストがきつすぎると、サイドボーンが脇肉にくい込み、逆にきつすぎると、サイドボーンがずり上がってしまいます。

  • バスト形状との不一致脇に広がりやすいバストタイプなのに、サイドの高さ(脇高)が低いブラジャーを選んでいると、サイドボーンがバストのふくらみに負けて外側に倒れ、脂肪を脇へ逃がしてしまいます。

  • サイドボーンの長さ:バストの根元から脇の下までを十分にカバーできない短いサイドボーンは、脇肉を適切にホールドできず、お肉を上下に移動させてしまいます。

1.2. 構造上・着用上の要因

  • 経年劣化による変形:長期間の使用や間違った洗濯(例:洗濯機での強い脱水)により、サイドボーン自体が曲がったり、折れたりすると、サポート力が失われ、脂肪が逃げやすくなります。

  • 体型の変化:体重の増減や年齢による肉質の変化(脇肉が増えるなど)によって、以前はフィットしていたブラジャーのサイドボーンが、現在の体型に合わなくなり、圧迫ポイントを作ってしまうことがあります。

  • 誤った着用方法:着用時に脇肉をカップに集めず、サイドボーンが本来集めるべき脂肪の上に乗ったままになっていると、その部分を圧迫し続け、脂肪を逃がしてしまいます。


2. 📉 脂肪が移動・定着する具体的なメカニズム

位置がずれたサイドボーンが、どのようにして脂肪移動を引き起こすのでしょうか。

  • 圧迫による脂肪の分散:

    サイドボーンが脇肉に対して鋭角に食い込むようにずれると、脂肪細胞が物理的に圧迫され、圧力がかからない方向に移動しようとします。これにより、脇肉が背中側に逃げたり、バスト上部からはみ出したりする原因となります。

  • ホールド力の喪失:

    サイドボーンが倒れたり、短すぎたりしてホールド力がなくなると、バストや脇肉を中央に寄せる力が働かず、脂肪が重力に従って脇や背中に流れ、そのまま定着しやすくなります。これが、**「ハミ肉(脇のはみ肉)」**が形成される主要な要因の一つです。


3. ✅ サイドボーンの位置ずれを防ぐ対策と選び方

サイドボーンが正しく機能し、美しいバストラインを維持するための対策は以下の通りです。

3.1. 正しいサイズと形状の選択

  • 脇高設計を選ぶ:脇から背中にかけての脂肪が多い方は、サイドパネルが高く、サイドボーンが長めの「脇高ブラ」を選びましょう。これにより、脇肉を逃がさずカップに収め、サイドボーンが安定した位置に固定されます。

  • アンダーサイズを適正化:アンダーが緩すぎるとブラ全体がずり上がり、サイドボーンが脇の下に食い込みます。きつすぎず、緩すぎないジャストフィットのアンダーサイズを選びましょう。

3.2. 毎日の正しい着用習慣

  • 「お肉寄せ」の徹底:ブラをつけたら、必ず前かがみになり、手で脇の下から背中の脂肪をすくい上げ、カップ内に収める動作を両側行います。このとき、サイドボーンが脇の肉をしっかり受け止めている感覚があるか確認します。

  • 着用後の微調整:着用後、サイドボーンが脇の下の骨に当たっていないか、バストのふくらみの終点とサイドボーンの始まりが一致しているかを確認し、ねじれや食い込みがないか微調整します。

3.3. ブラジャーのメンテナンス

  • 寿命を見極める:サイドボーンはワイヤー同様、ブラジャーの寿命を決める重要な部品です。ボーンが湾曲したり、布地から飛び出したりした場合は、すぐに使用を中止し、新しいものに交換しましょう。

サイドボーンが常に正しい位置でバストをサポートできるように意識することで、脂肪が不必要な場所に移動・定着するのを防ぎ、理想的なバストラインを維持できます。